新作能 沖宮 OKINOMIYA

新作能 沖宮 OKINOMIYA
植物染料で染められた絹糸

『沖宮』に登場する「四郎とあや」をイメージし、植物染料で染められた絹糸 撮影/石内都 ©Ishiuchi Miyako

「魂の花 ─ 緋の舟にのせて」

2018年公演

  • | 熊 本 | 10/6 [土]
    [薪能] 水前寺成趣園能楽殿
  • | 京 都 | 10/20 [土]
    金剛能楽堂
  • | 東 京 | 11/18 [日]
    国立能楽堂

村々は
雨乞いの まっさいちゅう
緋の衣 ひとばしらの舟なれば
魂の火となりて
四郎さまとともに海底うなぞこの宮へ
(石牟礼道子が亡くなる10日前に口述した句)

新作能「沖宮おきのみや」公演へのおも

2018年2月10日に90歳で亡くなった作家・石牟礼道子と染織家・志村ふくみ(93歳)は、
近代と前近代のあわいを見つめながら長年仕事に打ち込んできた。

現代日本への危機感を募らせた二人は、「今こそ伝えておかなければ」と語り合い、
次世代に残したい最後のメッセージを新作能「沖宮」に託す。

あらすじ

新作能「沖宮」は石牟礼の育った天草を舞台に、
戦に散った天草四郎と生き残った幼い少女あや、
そして、人々の死と再生の物語である。
干ばつに苦しむ村のために、雨の神である龍神への人柱として
亡き天草四郎の乳兄妹であるあやが選ばれる。
の衣をまとったあやは、舟に乗せられ一人沖へ流されていく。
やがて稲光とともに雷鳴が轟き、
あやは、天青の衣を纏い現れた天草四郎に導かれ
ははなるくにである“沖宮”への道行きが始まる

戦に散った天草四郎と
生き残った幼い少女
そして、人々の死と再生の物語

衣裳/志村ふくみ

原作/石牟礼道子

原作
石牟礼道子

衣裳
志村ふくみ

志村ふくみ(染織家・随筆家)

志村しむら ふくみ(染織家・随筆家)

草木によって染め、染織の世界で作品を長年作り続けている志村は、石牟礼の言葉に深く感動し、石牟礼の持つ世界と自分の世界とをいつしか重ね合わせるようになっていた。この度、石牟礼の遺志を受け継ぎ色と言葉の世界を新作能「沖宮」で実現させたいと決意している。

写真提供/都機工房

次世代に託す最後のメッセージ

石牟礼道子(詩人・作家)

石牟礼いしむれ 道子みちこ(詩人・作家)

長年、水俣病を通じて現代文明と向き合い、生命界の声なき声に耳を傾けてきた。晩年、パーキンソン病を患いながらも、最後のメッセージとして新作能「沖宮」を書き上げ、30年来の友人であった志村ふくみに舞台衣裳を託した。

写真提供/朝日新聞社

次世代に託す最後のメッセージ

石牟礼道子(詩人・作家)

石牟礼いしむれ 道子みちこ
(詩人・作家)

水俣病に病んだ日本と向き合い、現代における自然と人間のあり方を見つめてきた。2012年石牟礼道子はパーキンソン病を患いながらも意欲的に言葉を紡ぎ、「沖宮」を書き上げた。石牟礼道子は舞台衣裳を30年来の友人であった志村ふくみに託す。

写真提供/朝日新聞社

志村ふくみ(染織家・随筆家)

志村しむら ふくみ
(染織家・随筆家)

草木によって染め、染織の世界で作品作りを長年続けている志村は、石牟礼の言葉に深く感動し、石牟礼の持つ世界と、自分の世界とをいつしか重ね合わせるようになっていた。この度、色と言葉の世界を新作能「沖宮」で実現させたいと願っている。

写真提供/都機工房

>金剛 龍謹さん写真

志村ふくみの衣をまとい、
石牟礼道子の世界を舞う。

シテ〈天草四郎〉
金剛こんごう 龍謹たつのり(能楽金剛流若宗家)
幼いころから舞台に立ち、自身の芸の研磨と継承に努力してきた。石牟礼道子さんと志村ふくみさんの思いが詰まった「沖宮」が良い能になるように力を尽くしたい。
金剛 龍謹

金剛 龍謹さん写真

シテ〈天草四郎〉
金剛こんごう 龍謹たつのり(能楽金剛流若宗家)
幼いころから舞台に立ち、自身の芸の研磨と継承に努力してきた。石牟礼道子さんと志村ふくみさんの思いが詰まった「沖宮」が良い能になるように力を尽くしたい。

新作能「沖宮」賛同者

「沖宮」関連書籍

  • 遺言 対談と往復書簡

    東日本大震災後、自らの仕事の根本が揺らぐように感じた染織家・志村ふくみが、長年交流のあった作家・石牟礼道子へ手紙を送って始まった往復書簡。折しも、石牟礼は生涯最後の作品として新作能を構想しているところだった。作家と染織家が新しいよみがえりを祈って紡いだ次世代へのメッ セージ。往復書簡と二度の対談、遺作となった「沖宮」を収録。志村ふくみによる能衣裳をカラーで掲載。

    出版社:ちくま文庫
    発売日:2018/9/11
    サイズ:148×106×12mm
    1,026円
    「沖宮」オフィシャルフォトブック
  • イメージブック
    魂の花 -緋の舟にのせて

    詩人・石牟礼道子と染織家・志村ふくみ。 現代日本への危機感を募らせた二人は、次世代に残したい最後のメッセージを新作能「沖宮」に託した。 「沖宮」は戦に散った天草四郎と生き残った幼い少女、そして、人々の死と再生の物語。シテは若宗家・金剛龍謹。 本書は、志村ふくみの能衣裳や、原作の舞台である天草・島原の風景を、写真界のノーベル賞といわれるハッセルブラッド賞受賞の石内都が撮り下ろした「沖宮」の世界に誘うイメージブック。

    原作/石牟礼道子
    衣裳/志村ふくみ
    写真/石内都
    寄稿/金剛龍謹(金剛流シテ)
    出版社:求龍堂
    発売日:2018/09/11
    サイズ:237×161×15mm
    4,104円
    「沖宮」オフィシャルフォトブック
  • DVDブック
    魂の火 -妣なる國へ

    神よ、われらを救いたもれ
    石牟礼道子の言葉に乗せて
    志村ふくみの色がまたたく
    東京公演の初映像化

    新作能「沖宮」の舞台スチール写真集に加え、東京公演DVDが付属したDVDブック。DVDの監督は志村ふくみの映像作品「Colors of Life」の牛島悟郎。DVD本編は、東京公演舞台映像、特典映像として天草島原風景、志村ふくみ・洋子・昌司、能楽金剛流インタビューを収録。舞台スチール写真集は、京都公演舞台写真、原作あらすじ、詞章等を収録。

    目次
    【 DVD 】
    本編 舞台映像 新作能「沖宮」 東京公演(国立能楽堂)
    特典映像1 原作のイメージ映像 天草・島原の風景
    特典映像2 インタビュー(志村ふくみ・洋子・昌司、能楽金剛流)
    【 舞台スチール写真集 】
    京都公演スチール(金剛能楽堂)
    テキスト
    原作あらすじ
    詞章(和英併記)
    詞章について、中村健史(能楽研究者)
    寄稿
    金剛永謹(能楽金剛流・宗家)
    中村桂子(JT生命誌研究館館長)
    早川敦子(津田塾大学教授)
    若松英輔(批評家・随筆家)
    米本浩二(石牟礼道子資料保存会研究員)
    志村洋子(染織家)
    志村昌司(アトリエシムラ代表・新作能「沖宮」プロデューサー)
    原作/石牟礼道子
    衣裳/志村ふくみ
    DVD監督/牛島悟郎
    舞台写真/上杉遥
    出版社:求龍堂
    出版社:求龍堂
    サイズ:237×164mm
    上製本 80頁(舞台スチール写真集+公演映像DVD)
    4,860円
    「沖宮」オフィシャルフォトブック

お問合せ

石牟礼道子と志村ふくみの願いを叶える会

株式会社 FUKUMI SHIMURA
〒600-8018 京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング2F
TEL:075-746-3303 FAX:075-746-3304
MAIL:info@shimuranoiro.com
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