新作能 沖宮 OKINOMIYA

新作能 沖宮 OKINOMIYA
植物染料で染められた絹糸

「緋の衣 撮影 / 上杉遥」

2021 新作能「沖宮おきのみや」公演へのおも

作家・石牟礼道子。染織家・志村ふくみ。
両者はともに自然と人間の関係を見つめながら仕事に打ち込んできました。

二人は長年、互いの作品に触れながら対話を続け、
石牟礼の言葉は、志村が染織作品を作る時の霊感の源泉となり、
志村の染めた色糸を、石牟礼は「魂が染色したよう」と語っています。

2011年の東日本大震災、原発事故を契機に水俣の受難をふりかえり
近代日本の在り方への危機感を募らせ、「今こそ伝えておかなければ」
と語り合う中で新作能「沖宮」は誕生しました。

近代化が進む中で希薄になりつつある生命の深み、そして自然への畏敬の念。
日本人が古くから大切にしてきたこの想いを次世代に繋げたいという
二人の望いが形となり、2018年に公演を果たすこととなりました。

そして2021年、世界中が苦しんでいる今だからこそ、作家・石牟礼道子が生命界の復活を願って
書き上げた新作能「沖宮」のメッセージを伝えたい。
そして、もっと踏み込んだ形で 「沖宮」の世界に触れていただきたい。
そのような思いから、クラウドファンディングを行い、
当公演チケットをはじめ、通常販売することのないものを含めた特典を皆様に
お届けすることにいたしました。
公演の実現に向け、温かいご支援をお願いいたします。

撮影/矢幡英文『遺言』

撮影/矢幡英文『遺言』(ちくま文庫)

志村ふくみメッセージ

このたび金剛家の皆さまによって沖宮が上演されることになりました。
石牟礼さんもさぞおよろこびのことと存じます。
石牟礼さんにお会いできなくなりましてから、
私はますます石牟礼さんの大きな存在に気づき、
実に稀有な予言者でいらしたように思います。
すでに、苦海浄土、不知火をお書きになりました時、
今日のことを予知していらした気がします。
文学ではなく、今は天にむかって唄い上げなければと私におっしゃって
沖宮の原稿をなんども送り下さいました。
衣裳の色を決めて下さり、私共は一しんに染めました。
今日再び沖宮が上演されますことは、この苦難のただ中にあり
現世の人々に石牟礼さんが光をあたえて下さるような気がします。
沖宮が必ず新しい力を人々に与えて下さると信じております。
どうぞ御高覧下さいますことを心よりお願申上ます。

令和三年一月 志村ふくみ

新作能「沖宮」公演プログラム

日時 : 2021 年 6 月 12 日(土)

場所 : 金剛能楽堂 (京都市上京区烏丸通中立売上ル /地下鉄「今出川」駅より徒歩5分)

昼公演

夜公演

14:3017:30
開場
15:0018:00
ご挨拶・解説 実行委員代表 志村昌司
15:1018:10
二重唱
  • 「アヴェ マリア」作曲 セザール・フランク
  • 「アニマの鳥」作詞 石牟礼道子
    作曲 佐藤岳晶
<休憩15分>
15:4018:40
新作能「沖宮」
  • 天草四郎金剛龍謹
  • 大妣君宝生和英
  • あや南坊城碧子
  • 村長有松遼一
16:4019:40
終了予定

原作「沖宮」のあらすじ

島原の乱の後の天草下島の村。
干ばつに苦しむ村のために、雨の神である竜神への人身御供として、
亡き天草四郎の乳兄妹の幼い少女あやが選ばれる。
緋の衣をまとったあやは緋の舟に乗せられ、沖へ流されていく。
舟が沖の彼方に消えようとした瞬間、稲光とともに雷鳴が鳴り、あやは海底へ投げ出される。
あやは天青の衣をまとった四郎に手を引かれ、
いのちの母なる神がいるという沖宮へ沈んでいく。
そして、無垢なる少女あやの犠牲によって、村に恵みの雨が降ってくる。

戦に散った天草四郎と
生き残った幼い少女
そして、人々の死と再生の物語

原作「沖宮」のあらすじ

「四郎とあやの道行き 撮影/上杉遥」

  • 石牟礼道子 [原作]
  • 志村ふくみ [衣裳]
  • 金剛龍謹 [シテ]
  • 宝生和英 [シテ]
  • 有松遼一 [ワキ]

村々は
雨乞いの まっさいちゅう
緋の衣 ひとばしらの舟なれば
魂の火となりて
四郎さまとともに海底うなぞこの宮へ
(石牟礼道子が亡くなる10日前に口述した句)

衣裳/志村ふくみ

原作/石牟礼道子

原作
石牟礼道子

衣裳
志村ふくみ

志村ふくみ(染織家・随筆家)

志村しむら ふくみ(染織家・随筆家)

草木によって染め、染織の世界で作品を長年作り続けている志村は、石牟礼の言葉に深く感動し、石牟礼の持つ世界と自分の世界とをいつしか重ね合わせるようになっていた。この度、石牟礼の遺志を受け継ぎ色と言葉の世界を新作能「沖宮」で実現させたいと決意している。

写真提供/都機工房

次世代に託す最後のメッセージ

石牟礼道子(詩人・作家)

石牟礼いしむれ 道子みちこ(詩人・作家)

長年、水俣病を通じて現代文明と向き合い、生命界の声なき声に耳を傾けてきた。晩年、パーキンソン病を患いながらも、最後のメッセージとして新作能「沖宮」を書き上げ、30年来の友人であった志村ふくみに舞台衣裳を託した。

写真提供/朝日新聞社

次世代に託す最後のメッセージ

石牟礼道子(詩人・作家)

石牟礼いしむれ 道子みちこ
(詩人・作家)

水俣病に病んだ日本と向き合い、現代における自然と人間のあり方を見つめてきた。2012年石牟礼道子はパーキンソン病を患いながらも意欲的に言葉を紡ぎ、「沖宮」を書き上げた。石牟礼道子は舞台衣裳を30年来の友人であった志村ふくみに託す。

写真提供/朝日新聞社

志村ふくみ(染織家・随筆家)

志村しむら ふくみ
(染織家・随筆家)

草木によって染め、染織の世界で作品作りを長年続けている志村は、石牟礼の言葉に深く感動し、石牟礼の持つ世界と、自分の世界とをいつしか重ね合わせるようになっていた。この度、色と言葉の世界を新作能「沖宮」で実現させたいと願っている。

写真提供/都機工房

出演者

シテ
金剛こんごう 龍謹たつのり(能楽師)

金剛龍謹

1988年、金剛流二十六世宗家金剛永謹の長男として京都に生まれる。幼少より、父・金剛永謹、祖父・二世金剛巌に師事。5歳で仕舞「猩々」にて初舞台。以後「石橋」「鷺」「翁」「乱」「道成寺」「望月」「安宅」など数々の大曲を披く。自らの芸の研鑽を第一に舞台を勤めながら、大学での講義や部活動の指導、各地の学校での巡回公演など学生への普及活動にも取り組む。2012年に発足した自身の演能会「龍門之会」をはじめとして、京都を中心に全国の数多くの公演に出演。同志社大学文学部卒業。京都市立芸術大学非常勤講師。公益財団法人 金剛能楽堂財団理事。

シテ
宝生ほうしょう 和英かずふさ(能楽師)

宝生和英

昭和61年東京生まれ。父、第19世宗家宝生英照に師事。宝生流能楽師佐野萌、今井泰男、三川泉の薫陶を受ける。平成3年 能「西王母」子方にて初舞台。平成20年に宝生流第20代宗家を継承。これまでに「鷺」「乱」「石橋」「道成寺」「安宅」「翁」、一子相伝曲「双調之舞」「延年之舞」「懺法」を披く。伝統的な公演に重きを置く一方、異流競演や復曲なども行う。また、公演活動のほか、マネジメント業務も行う。海外ではイタリア、香港を中心に文化交流事業を手がける。第40回松尾芸能賞新人賞受賞。

ワキ
有松ありまつ 遼一りょういち(能楽師)

有松遼一

能楽師ワキ方高安流。谷田宗二朗師・飯冨雅介師に師事。京都大学大学院博士課程(国文学)研究指導認定退学。同志社女子大学嘱託講師。京都を中心に、各地の舞台に出演。海外公演や学校ワークショップの参加、旧三井家下鴨別邸の能楽イベント主催など、普及活動にも努める。新作能「高虎」「新〈淇〉劇」執筆。朝日新聞では連載コラムを担当。大学の講義では能楽や和歌など古典の魅力を伝える。能が現代に生きる芸能・舞台芸術であることを問い続ける。

カウンターテナー
村松むらまつ 稔之としゆき(声楽家)

村松稔之

京都市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科、同大学院修士課程独唱科を首席にて修了。その後渡伊、G.カンテッリ音楽院古楽声楽科にて研鑽を積む。第20回ABC新人オーディション最優秀音楽賞、第24回青山音楽賞新人賞、第13回東京音楽コンクール第3位等受賞。2017年度野村財団奨学生、2019年度京都市芸術文化特別奨励者。三枝成彰喜劇「狂おしき真夏の一日」2020年“井上道義×野田秀樹”《フィガロの結婚》に出演。またLFJ音楽祭にて現代歌曲を取り入れた選曲を歌うなど古楽から現代音楽まで幅広いレパートリー作りに取り組んでいる。来春、エアフルト歌劇場(ドイツ)でのデビューが決まっている。

ソプラノ
辻村つじむら 明香あきか(声楽家)

辻村明香

大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。宗教曲をはじめ日本歌曲、ドイツ歌曲など多数の演奏会に出演。オペラでは「ヘンゼルとグレーテル」グレーテル、「白狐の湯」お小夜などを演唱。セルヴィリアを演唱した関西歌劇団定期公演「皇帝ティートの慈悲」が、平成28年度大阪文化祭賞奨励賞を受賞。第14回KOBE国際コンクール奨励賞、第15回日本演奏家コンクール特別賞受賞。アンサンブルグループ「ノスタルジア」メンバー。関西歌劇団正団員。

新作能「沖宮」賛同者

「沖宮」関連書籍

  • 遺言 対談と往復書簡

    東日本大震災後、自らの仕事の根本が揺らぐように感じた染織家・志村ふくみが、長年交流のあった作家・石牟礼道子へ手紙を送って始まった往復書簡。折しも、石牟礼は生涯最後の作品として新作能を構想しているところだった。作家と染織家が新しいよみがえりを祈って紡いだ次世代へのメッ セージ。往復書簡と二度の対談、遺作となった「沖宮」を収録。志村ふくみによる能衣裳をカラーで掲載。

    出版社:ちくま文庫
    発売日:2018/9/11
    サイズ:148×106×12mm
    1,045円 (税込)
    「沖宮」オフィシャルフォトブック
  • イメージブック
    魂の花 -緋の舟にのせて

    詩人・石牟礼道子と染織家・志村ふくみ。 現代日本への危機感を募らせた二人は、次世代に残したい最後のメッセージを新作能「沖宮」に託した。 「沖宮」は戦に散った天草四郎と生き残った幼い少女、そして、人々の死と再生の物語。シテは若宗家・金剛龍謹。 本書は、志村ふくみの能衣裳や、原作の舞台である天草・島原の風景を、写真界のノーベル賞といわれるハッセルブラッド賞受賞の石内都が撮り下ろした「沖宮」の世界に誘うイメージブック。

    原作/石牟礼道子
    衣裳/志村ふくみ
    写真/石内都
    寄稿/金剛龍謹(金剛流シテ)
    出版社:求龍堂
    発売日:2018/09/11
    サイズ:237×161×15mm
    4,180円 (税込)
    「沖宮」オフィシャルフォトブック
  • DVDブック
    魂の火 -妣なる國へ

    神よ、われらを救いたもれ
    石牟礼道子の言葉に乗せて
    志村ふくみの色がまたたく
    東京公演の初映像化

    新作能「沖宮」の舞台スチール写真集に加え、東京公演DVDが付属したDVDブック。DVDの監督は志村ふくみの映像作品「Colors of Life」の牛島悟郎。DVD本編は、東京公演舞台映像、特典映像として天草島原風景、志村ふくみ・洋子・昌司、能楽金剛流インタビューを収録。舞台スチール写真集は、京都公演舞台写真、原作あらすじ、詞章等を収録。

    目次
    【 DVD 】
    本編 舞台映像 新作能「沖宮」 東京公演(国立能楽堂)
    特典映像1 原作のイメージ映像 天草・島原の風景
    特典映像2 インタビュー(志村ふくみ・洋子・昌司、能楽金剛流)
    【 舞台スチール写真集 】
    京都公演スチール(金剛能楽堂)
    テキスト
    原作あらすじ
    詞章(和英併記)
    詞章について、中村健史(能楽研究者)
    寄稿
    金剛永謹(能楽金剛流・宗家)
    中村桂子(JT生命誌研究館館長)
    早川敦子(津田塾大学教授)
    若松英輔(批評家・随筆家)
    米本浩二(石牟礼道子資料保存会研究員)
    志村洋子(染織家)
    志村昌司(アトリエシムラ代表・新作能「沖宮」プロデューサー)
    原作/石牟礼道子
    衣裳/志村ふくみ
    DVD監督/牛島悟郎
    舞台写真/上杉遥
    出版社:求龍堂
    出版社:求龍堂
    サイズ:237×164mm
    上製本 80頁(舞台スチール写真集+公演映像DVD)
    4,950円 (税込)
    「沖宮」オフィシャルフォトブック

お問合せ

新作能「沖宮」公演実行委員会

TEL:075-746-3303
MAIL:okinomiya2021@ateliershimura.co.jp